濃厚豚骨

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Vivy -Fluorite Eye's Song- 個人的メモ

VIVY


wiki引用】

Vivy -Fluorite Eye's Song-』(ヴィヴィ フローライトアイズソング)はWIT STUDIO制作による日本のテレビアニメ作品。公式略称は「ヴィヴィ」。2021年4月から6月までTOKYO MXほかにて放送された[1]

本作はライトノベルRe:ゼロから始める異世界生活』を執筆した長月達平と、そのアニメ化作品で脚本を一部担当した梅原英司が、共同で原案・シリーズ構成を手掛けるオリジナルアニメ作品[2]

AIと歌と歴史改変の3つを主題としており、異なる使命をもった2体のAIを中心とした、SFヒューマンドラマが描かれる[3]

【軽い説明】


端的に言えば AIと人間との関係性を描くSFもの。

ただそこに、人類を救う使命を帯びたAIのタイムリープ要素が加わっている。

いずれ起きるAIと人間との戦争を食い止めるべく一人の歌姫型AIヴィヴィと

未来から来たAIデータ「マツモト」とのコンビで正史で起きてしまった悲劇を

食い止め、違う未来を目指すストーリー構成。


【注目ポイント】


・機械描写



定期的に近距離で質感や、人形的要素、機械的要素を描くことで

ここぞという時に人間との差異を表現しつつ、不気味とも美しいとも取れる演出に成功している。

特にシリコン的質感や、眼球のレンズ調整の動きなどが印象的。

また、演算時の首にあるLED点滅表現はAI自身の心情や行間を読むのに一役買っていたと思う。


・描かれる時代のスパンが長い

特異点と呼ばれる分岐でしか彼女らは活動しないため、100年間を 数年から数十年刻みで描くため文明が少しづつ発達していく様や、人間キャラの大きくなった姿、娘、など時代の流れを強く感じさせる見せ方をしていたと思う。


・使命と私情

使命を帯びたvivyがはじめにぶつかった壁は 自分にヴィヴィと命名してくれた少女の死である。正史のデータを閲覧出来るがゆえに少女が歴史修正とは関係ない事象で死んでしまう記事を見つけてしまう。

眼の前で死んでいく少女を救えなかったヴィヴィはこのミッションの過酷さと不合理さを経験し、キャラとしての厚みを増していく。

先の未来ではその少女の妹を救うなどし、すべての死に意味を持たせているのが印象的であった。


・分岐表現

デトロイトのような分岐表現だったが、正史とどれだけかけ離れた未来になったのかを

視覚的に見れる画期的な表現だったと言える。


・曇らせ要素 鬱要素。

不条理さやジレンマを大いに感じさせる展開が多数存在する。

例を挙げると……

 ・救えなかった少女の妹と危険なミッションの最中に遭遇

  妹は救えたが、その会話の中でもうあの少女とは出会えないのだと

  再認識させられる。

 

 ・AIに救われた反AI団体の少年の末路。

  自分の思想とAIに対する意識の変化や過去のトラウマなどで

  ぐちゃぐちゃになり、盲信的にヴィヴィを

  追い回す存在となってしまった。

  その少年が拾ったAIや娘など後の世界での重要な伏線となる。

 ・自分の後継機であるAIの不幸な末路。

  自身をもとに作られた後継機シスターズシリーズが相次いで

  不幸な結末をたどり見届けることになる。

  特にエリザベスとエステラの関係性、オフィーリアとアントニオの結末、

  グレイスと冴木の結末にはかなりクるものがあった。

 ・正史では結婚していたAIと人間のカップル。

  改変された未来では仲を引き裂かれ、

  AIの部品パーツを作る島の集中管理AIとしてコアと繋がれてしまう。

  取り戻そうとする婚約者男性と協力するヴィヴィたち。

  しかし、末癒着が激しく破壊するしか止める手立てが無いと知る

  後に破壊報告を婚約者男性にすると、その場で自害。

  右手にはAIの血、左手には人間の血という最高に報われない結末に

  ヴィヴィは機能停止を起こす。最高の曇らせである。

 


【最後に】

個人的には非常に曇らせや鬱展開がありつつも、余白を感じさせるいい終わり方が出来たいい作品だったのではないかと思います。

似た題材のアニメでプラスチックメモリーズやイヴの時間などが挙がると思うのですがそのどれとも違うテイストで料理されていて非常に満足度高かったです。

曇らせ好きのみんなはぜひ見てみてほしい。